今日は、9月11日です。東海豪雨からちょうど15年経ちました。
平成12年9月11日~12日、台風14号の影響で前線が活発になり、名古屋市では、1時間97mmで当時観測史上第一位と記録的な豪雨。天白川・新川・庄内川流域を中心に広範囲にわたり大きな被害をもたらしました。
私の地元天白区野並周辺では、堤防の決壊ではなく、堤防よりも低い地域に雨水が溜まらないように天白川へ排水する役割のポンプが浸水で機能停止となり、大量の雨と恐らく天白川に排水した水とが悪循環を起こして、天白川と支流の藤川、そのまた支流の郷下川などに囲まれた土地がすり鉢上となり町中が水没してしまいました。
写真は、とある飲食店の外壁。白いテープが当時の様子を痛々しく物語っていますが、あたりは1階まで冠水。目の前の道路で立ち往生したバスはようやく屋根が見える程に。
店主は、復旧に至るまで多くのご苦難を乗り越え、今日も元気に営業。
私は、議会の合間を縫って、やっぱり今日は・・と、久しぶりにこちらで昼食をいただくことに。
実は、野並周辺における水害は三度目の正直であり、さすがに行政の過失があったのではないかと住民の皆さんが立ち上がり、名古屋市に対して損害賠償を求めて提訴。名古屋地裁は06年1月、「500年から1000年に一度の確率で起こる未曽有の豪雨で、事前対策は不可能だった」と請求を棄却し、最高裁では住民側敗訴が確定。
当時、私は市民として地裁の傍聴にほぼ毎回訪れ、被害者のみなさんの声を何度となく伺いました。
残念ながら結果は敗訴でしたが、のちに国の激甚災害指定を受け、本市では「緊急雨水整備基本計画」が策定され、雨水対策整備が10年かけて行われました。
内容は、原則1時間60mmの降雨に対応する施設整備を行い、床上浸水の解消を目指すもので、ポンプの増強、雨水貯留施設等順次すすめ、浸水対策へは相当の効果が得られるまでに整備されました。
災害経験からの対策。そして整備。自然と共存しながら、災害と向き合っていくためには、それなりの時間と費用がかかります。いつの日も防災・減災への課題解決には終りはないのでしょう。今一度、防災情報の共有と、自助・共助への理解、市民それぞれの災害に対する万が一の備えをしていかなくてはいけません。
もちろん、尊い命と安心した暮らしは、誰しもが守られるべきものです。
奇しくも、昨日の台風18号から変わった低気圧の影響で、関東や東北では、鬼怒川の堤防決壊をはじめ、50年に1度の規模の記録的な大雨となり大きな被害が出ているところ。
天白区の被害とは異なりますが、決して他人事ではありません。
まずはとにかく一刻も早く、1人でも多くの救命救出を願うばかり。
被害に遭われた皆様には、衷心よりお見舞い申し上げます。